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LPは1本じゃなくていい|顧客の状態に、3本のLPで応える 

たかちほ正史発酵蔵

2026/4/28

04-1では、ファーストビューを「コンセプトと広告と、同じ温度で組む」話を書きました。

今回はその続きで、ファーストビューのあと、購入ボタンに指がかかるまで、どう設計したかの話です。

たかちほ正史発酵蔵のEC運用で、いま動いているのは3本のLPです。

最初からそう決めていたわけではなく、1本で始めて、2本、3本と増やしていったら、結果的にいまの形になった、という話です。

1|優先的な1本から始めて、他の角度を足していった

最初は、まず1本のLPから始めました。

広告で初めてブランドに触れる初見の人向けに、新しい体験を網羅的に見せる1本。商品の魅力を、コピー・食べ方・こだわり・レビュー・FAQ・購入ボタンで、上から下まで完結させる組み方です。

まずはここから運用をスタートしました。

ただ、運用していくうちに、見えてきたことがありました。

LPに着地する人の頭の中が、ぜんぶ違うんです。

これに気づいたきっかけは、Instagramのフォロワーから届くDMの声でした。フォロワーに「なぜフォローしてくださったのか」を直接聞いていくと、こういう声が並んできます。

「混ぜない納豆ってどういうこと?気になる」 「既存の納豆と、具体的に何がどう違うのか、知りたい」 「食べてみたい気持ちはある」 「高級納豆だと思うので、送料も入れたら……」 「買えるようになったら、絶対お取り寄せするって決めてます」

「気になっている」「食べてみたい」までは届いている。でも、その先の「買う」までは進んでいない。

どんなところに詰まっているのだろうか?

声を並べて読んでいくと、詰まる場所には傾向があることが見えてきました。

[図:DMから見えた詰まり(4つの声 → 思想で詰まる/価格で詰まる)]

普通の納豆と、何が違うのかわからない――混ぜないってどういう意味なのか、開封と同時に糸が立つって既存の納豆もそうじゃないのか。思想・意味のところで止まっている人。

価格と、自分の生活との折り合いがつけられない――高級納豆っぽい、送料も入れたら、いまは買えない。価格の壁で止まっている人。

DMから見えた「詰まる場所」に合わせて、Meta広告のメッセージとLPを、ペアで同時期に増やしていきました

広告だけ問いを変えても、意味がないんです。

「なぜこの納豆は混ぜないのか?」という新しい問いを広告で立てたら、その問いにしっかり応えるLPが同時に必要になる。初見向けの汎用LPに着地させてしまうと、入口の起点がまったく違うから、せっかく広告で立てた問いが宙に浮いてしまう。

広告とLPは、ペアで設計しないと機能しないということです。

最初は「まずは混ぜずに」という、まだブランドを知らない初見の人への行動指示コピーと、最初の1本のLPでスタートしました。

そこから、DMで思想の詰まりが見えてきたので、「なぜこの納豆は混ぜないのか?」という新しい問いを立てる広告と、その問いに思想と設計で応えるLPを、ペアで同時期に追加しました。これで2本目のLPです。

さらに価格の詰まりも見えてきたので、「納豆1包、300円。正直、アリなの?」という新しい問いを立てる広告と、価格疑問に正面から応えるLPを、また同時期に追加。これで3本目です。

最初から「LPは3本にしよう」と決めていたわけじゃない。

まず1本から始めて、運用しながら「この角度では届かない人」が見えてきて、広告とLPをペアで増やしていった結果が、いまの3本構成です。

[図:3本に増えるまでのタイムライン(最初の1本→思想の詰まり→価格の詰まり)]

2|3本のLPで、状態を分担する

実装は、こうなっています。

[図1:LP-1/LP-2/LP-3、3本の起点と役割]

LP-1|初見の人向け(B用LP)

  • 入口:「出して、のせて、噛むだけ。」「1分で旅館のような朝」

  • 起点:体験そのものを宣言する

  • 中身:食べ方ガイド、朝食レシピ6種+夜食4種、こだわり、レビュー、FAQ。新しい体験を網羅的に見せていく

  • 役割:まだ何も知らない人に、ブランドの全体像と新しい体験を渡す

LP-2|思想で詰まっている人向け(Re用LP①)

  • 入口:「ねばれば、それでいいのか?」

  • 起点:顧客の頭の中の疑問を、そのまま見出しにする

  • 中身:完熟発酵の設計思想、家族や納豆苦手な人にも食べやすい理由

  • 役割:「混ぜないって、本当にちゃんとした納豆なの?」という疑問に、思想と設計の話で答える

LP-3|価格で詰まっている人向け(Re用LP②)

  • 入口:「納豆1包、300円。正直、アリなの?」

  • 起点:価格疑問を正面から扱う

  • 中身:レビューで社会的証明、「1食100円台」へのリフレーミング、3つの素材で根拠

  • 役割:価格の壁を直球で受けて、納得まで運ぶ

3本のLPは、起点も中身も違います。

でも、繋ぐ先はひとつ。粒のまま味わう、新しい納豆体験のワクワク。そこに人を運ぶために、状態に応じた入口を3本に分けて持っている、ということです。

各LPは、それぞれ独立して立っています。1本のLPの「上のほう・真ん中・下のほう」を切り出したのではなく、それぞれが「ブランドの一面」として完結している

初見の人が見ても、思想で詰まっている人が見ても、価格で詰まっている人が見ても、「これがたかちほ正史発酵蔵だ」とわかる形にしている、ということです。

まとめ|全部つなげるのは、最後の体験だけでいい

LPを1本にせず、3本に分けて運用する――この設計が機能するのは、繋ぐ先がひとつだからです。

[図2:3つの入口から、1つのコンセプトへ繋がる]

3本のLPの起点は違う。中身もそれぞれ違う。でも、最終的に人を運ぶ先(新しい納豆体験のワクワク)は、同じです。

だから、3本に分かれていても、ブランドはばらけない。各LPの起点や中身が違っても、繋ぐ先が一つだから、ブランド全体としての統一感は崩れません。

逆に言うと、繋ぐ先(コンセプト・新しい体験)が弱ければ、何本に分けてもブランドはまとまりません

LPの本数の問題ではなく、繋ぐ先が新しいかどうかのほうが、ずっと大事だと思っています。

だからこそ、うもれんがいちばん大事にしているのは、新しい意味・新しいコンセプト・新しい体験です。LPも、ロゴも、広告も、全部はそこから始まる。

新しい意味・新しい体験の魅力があるからこそ、いろんな角度からユーザーを呼び込むことができます。

3本のLPで思想・価格・体験という違う入口を作れるのは、コンセプトに複数の魅力的な角度があるからです。

そして、新しい意味・新しい体験だからこそ、「ねばれば、それでいいのか?」「300円アリなの?」のような、人が引っかかりやすい強い問いを広告やLPで立てることができる。

一般的な商品では、こういう問いは立ち上がりません。

コンセプトが立っていない状態で設計の細部をどれだけ磨いても、入口は開かないし、強い問いも立たない。逆に、コンセプトが新しければ、複数の入口も、強い問いも、自然に生まれます。

ブランドの仕事を引き受けるとき、僕がいちばん時間をかけるのが、ここです。

全ての設計の手前に、新しい意味があるかどうか

それが立っていれば、後ろの設計は3本に分けても5本に分けても、ちゃんとひとつのブランドとして繋がっていきます。

LPは1本じゃなくていい。むしろ、顧客の状態に応じて入口を分担したほうが、ちゃんと届く。それが成立するのは、繋ぐ先のワクワクが、本物だからです。

現在この形で運用していて、CVRなどの詳しい数字はもちろん書くことはできませんが、業界水準を上回るかたちで、安定した運用が行えています

LP-3(価格疑問型)はまだテスト数が少なくて、これからの検証ですが、初見向けとRe型はそれぞれ想定した形で動いている、という現状です。

そして、うもれんが大切にしているのは、設計はここで終わらないということでもあります。

コンセプトが新しい、設計が綺麗、思想が立っている――それだけでは足りない。

最後まで、ちゃんと買われるところまで人が運ばれているか

そこまで見届けて、初めて「機能している」と言えると思っています。

ブランドを立ち上げる仕事を引き受けるとき、コンセプトから設計、広告、LP、SNS、購入後まで、全部つなげて見ていくのは、そのためです。


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※本記事は、許諾を得た範囲で工程の考え方を記録しています。

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