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ロゴ編まとめ|判断軸3つ
たかちほ正史発酵蔵
2026/2/26
──たかちほ正史発酵蔵|工程ノート
たかちほ正史発酵蔵のロゴは、見た目の好みだけで決めたものではありません。
この案件では、どう伝わるか、そしてどう使われていくかを考えながら、判断の軸を置いて整えていきました。
僕の中で大きかった判断軸は、3つあります。
1|まず「入口」として機能すること
このロゴで最初に考えたのは、入口としてどう見えるかでした。
僕が最初に想像した使われ方ですが、下記を考えました。
SNSのアイコン
サイトのヘッダー
パッケージ
つまり、まずは小さく見られる場面が多い。
だからこそ、小さくても「いいな」と思えることが最初の条件になると思いました。
その入口として考えたのが、屋号の頭文字である 「た」 です。

「たかちほ正史発酵蔵」という長い屋号に入っていく、最初の入口になる。まず目が止まり、なんとなく覚えられて、そこから屋号につながっていく。その流れを大事にしたかった。
さらに、その「た」の一画には、この土地や手仕事の空気も少しだけ含ませています。

霧島の山の稜線、水の流れ、完熟した一粒。
全部を説明したいわけではなくて、なんとなく空気がにじむくらいでいい。
僕はまず、そういう入口をつくりたいと思っていました。
2|蔵の温度は残したい。でも古くは見せたくない

屋号には「発酵蔵」という言葉が入っています。ここには、手間や時間の匂いがある。その温度は、ロゴにも残したいと思いました。
でも一方で、古く見せたいわけではない。
いかにも老舗っぽくしたいわけでもない。
そこは気をつけたところです。
そのバランスを考えて、明朝体や楷書体ではなく、隷書体をベースに作字していきました。
隷書体には、横画の厚みやわずかなゆらぎがあって、食のクラフト感や手仕事の温度が残りやすい。そこは、このブランドに合うと思いました。
ただ、そのままだと伝統の印象が強く出すぎる。
だから、
はねや払いは控えめにする
角は少しだけ丸める
線の太さや字間を整える
そうやって、蔵の温度は残しながら、古さには寄せすぎないようにしました。
外側の囲いも同じです。

丸でも角でもない、少しだけゆらぎのある形にして、納豆のふくよかな一粒や、手仕事の温度が残るようにしています。
このあたりも、完熟発酵の一粒一粒への自信とつながっている部分でした。
3|理想だけでなく、ちゃんと使える形にすること
「たかちほ正史発酵蔵」という屋号の空気としては、文字は縦3行がいちばんしっくりきました。
蔵の空気、日本の食文化、のれんのような佇まい。
そういうものが、この形にはあると思ったからです。
なので、横組みや1行にすると印象がかなり変わってしまう。
そこはできるだけ崩したくありませんでした。
ただ、実際の運用では、マークと屋号をセットで使う場面が必ず出てきます。
サイトのヘッダー
パッケージ
シール
段ボール
理想を言えば、のれんのように文字とマークをそれぞれ美しく置けるのがいちばん。
でも現実には、組み合わせた状態で成立する形も必要でした。
そこで今回は、縦3行の前提は崩さず、右揃えの空気とのれんっぽさを残しながら、中央寄せでも成立するように余白とバランスを整えていきました。

縦3行らしさは残す。
でも、ちゃんと使える。
このバランスも大きな判断軸でした。
※細かい話ですが、ロゴタイプの「た」と、マークの中の「た」も、並べたときに違和感が出ないよう少しずつ形を寄せています。
ぱっと見では気づかれないけれど、そういう“なじみ”も大事にしました。
ここがかなり大事だった。まず、ぱっと見た印象を大切にした
ロゴって、やろうと思えばいろんな要素を入れられます。
この案件でも、コンセプトがある以上、「この意味も入れたい」「この要素も拾いたい」という気持ちは自然に出てきました。
ただ、要素を入れれば入れるほど、ロゴは説明っぽくなりやすい。
複雑になるし、小さくなったときに弱くなる。
そして、ぱっと見たときの印象が薄れてしまうことがある。
だから僕は、この案件ではまず
「なんかいいな」と思えること をかなり大事にしました。

一般の方が見たときに、
「素敵だな。期待できそう。」
「中身が良さそうだな」
「ちょっと気になるな」
そういう印象が自然に湧くかどうか。
そこは、かなり大きな判断基準でした。
もちろん、唯一無二であることや、覚えやすさ、使い続けやすさも大切です。でも、そればかりを優先して、最初に受ける印象が弱くなるのは違うと思っています。
僕自身、作り手の「よくできた」に引っ張られすぎないように、
そこはかなり意識していました
ロゴ単体では決めない。全体の中で見て判断する
もうひとつ大事にしているのが、ロゴ単体で決めないということです。
ロゴだけを見ると、よく見えてしまう案もある。
逆に、単体では地味でも、全体の中に置くとすごく効く案もあります。
だから、ロゴだけを切り離して決めないようにしています。
ロゴ、パッケージ、サイト、店頭…
最低でもそのくらいは並べてみて、全体の中でちゃんと成立しているかを見る。

世界観の中で見たときに、「これでいける」ではなく、
「これがいい」 と思えるかどうか。
そこまで詰めていきます。
最終的には、クライアントさんと一緒にそこまで確認して、今のロゴに落ち着きました。
コンセプトを踏まえつつ、詰め込みすぎない。
ぱっと見て印象が良くて、中身への期待が湧く。
僕は、この案件ではそういう判断でロゴを決めていきました。
まとめ
このロゴで大事にした3つのこと
入口として機能すること
まず目が止まり、屋号へ自然につながること
蔵の温度を残すこと
歴史や手仕事の空気は残しつつ、古く見せすぎないこと
ちゃんと使える形にすること
縦3行の空気を崩さず、実際の運用でも成立すること
僕はロゴを、コンセプトを全部説明するためのものというより、
期待を生む入口だと考えています。
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なぜブランド名を変えたのか?(高千穂工場 → たかちほ正史発酵蔵)
ロゴの前に、そもそも名前をどう考え直したのか。
世界観の試作:ロゴより先に「見え方」を確かめた話
ロゴ単体ではなく、全体の中でどう判断していったか。
写真・キービジュアル:混ぜない体験を写すルール
ロゴや名前と一緒に、どう“印象”をつくっていったか。
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