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ファーストビューは、コンセプトと広告と、同じ温度で組む
たかちほ正史発酵蔵
2026/4/28
LPのファーストビューについて書かれた記事は、世の中にいくらでもあります。
「最上部に何を置くか」「コピーは何文字以内か」「CTAは何色がいいか」――こういうやり方の話は、検索すればすぐに出てきます。
ただ、たかちほ正史発酵蔵のLPを組んだとき、僕がいちばん時間をかけたのは、ファーストビューに何を置くかではありませんでした。
その手前で、もっと先に決めていたことが2つあります。
ひとつは、LPをバナーの集合として組まないこと。 もうひとつは、ファーストビューを、コンセプトと広告と、同じ温度で組むこと。
順番としては、これが先でした。
1|温度感やストーリーを伝えたいLPは、シンプルに組む
LPには、いろんな組み方があります。

バナー的に画像と文字をきっちりデザインして、商品情報を見やすく整えていくスタイルは、通販系のLPでよく見るやり方です。
スペックや使い方を迷わず伝えたい場面ではとても有効で、整然と整理されていて、ぱっと見でわかる。これはこれで、ちゃんと役割を果たしてくれる組み方だと思います。
ただ、こういう「よくある型」に乗せた瞬間に、せっかく唯一無二のコンセプトやデザインで作った商品も「あ、これはよくあるやつ!=ふつうの商品」と見えてしまう、ということも起こりやすい。
型のほうが先に届いてしまって、コンセプトの独自性が見えなくなる。これはもったいないなと思っていました。
たかちほ正史発酵蔵のLPで僕がやりたかったのは、商品情報を見やすく伝えることだけではありませんでした。
「混ぜない、粒の旨み」という、納豆としては聞き慣れない新しいコンセプト。
なぜそうしたのか、どういう人がどんな手仕事で作っているのか、どんな朝に置きたい納豆なのか。こういうブランドの温度やストーリーまで、ちゃんと届けたかった。
ストーリーやメッセージって、文脈や言葉のかたまりとして読んでもらわないと、温度が伝わらないと思っています。
デザインで隙間なく埋めて、各セクションを完成形のバナーのように作り込んでしまうと、人は大きい文字しか見ない。見出しだけ流し見されて、奥にあるストーリーや感情が抜け落ちる。
それに、こういう言葉をきっちりデザインしてしまうと、なんだか嘘っぽく見えてしまうんですよね。
言葉が「広告のコピー」として読まれて、本心や実体験として届かなくなる。
手紙に書かれた言葉は信用されるけど、看板に大きく書かれた言葉は宣伝として読まれる。同じ内容を書いていても、見せ方ひとつで、受け取られ方がまるで変わってしまう。
宣伝色が強くなれば、「これは売り込みだな」と察されて、信頼性まで一段下がる。
だから、たかちほのLPは、ビジュアルが必要な場面では使いつつも、全体としては読み物として読み進めてもらえる流れを大事にしました。
写真と、タイトルと、文章そのものが、無理なく上から下に繋がっていくように組んでいきました。
写真もタイトルも、文章自体も、それぞれが新しいコンセプトの言葉であり、熱やストーリー、背景を持って作られたものです。
それを装飾しすぎてしまうと、その温度が消えてしまう。
だからそのまま、写真と文章として読み進めていけるかたちで伝える。ブログや記事に近い、読み物として組んだLP、という感じです。
2|広告から来た人の温度を、ファーストビューで受け取る
たかちほ正史発酵蔵のLPに来る人の多くは、Meta広告から流入してきます。
広告で動いているコピーは、たとえばこういうものです。
「まずは混ぜずに」
「なぜこの納豆は混ぜないのか」
「もう他の納豆は買えません」(顧客の声を引いたもの)

どれも、「混ぜない」という、納豆としては聞き慣れない体験への入口になっています。
広告で目を止めた人は、「混ぜない納豆ってなんだ?」と引っかかって、LPに来る。
ここでLPのファーストビューに「商品名・容量・価格・成分・受賞歴」がどんと並んでいたら、何が起きるか。
広告で立ち上がった「混ぜない納豆ってなんだ?」という問いに、LPが答えていない状態になる。 温度がズレて、引っかかりが消えて、戻るボタンが押される。
広告とLPを別々に組むと、こうなりやすい。広告には広告の指標(CTR)があり、LPにはLPの指標(CVR)がある。それぞれを別々に最適化していくと、間にいるユーザーの体験が分断されていく。
たかちほのLPでは、ファーストビューを「広告から来た人の温度を、そのまま受け取る場所」として組み直しました。
広告で「まずは混ぜずに」と言ったなら、LPの最上部でも、混ぜずに食べる体験のほうから話を始める。商品の説明はその後でいい。
3|コンセプトの宣言を、最上部に置く
なぜ温度を揃えられるのか。ここでまたコンセプトの話に戻ります。
たかちほ正史発酵蔵のブランドコンセプトは「混ぜない、粒の旨み」(03-6)。完熟発酵で粒の中に旨みが完成しているから、混ぜずに、粒のまま味わってほしい――という体験の宣言です。
このコンセプトが、広告にもLPにも、同じ温度で通っています。

[図1:コンセプト/広告/LPファーストビュー、3層の温度が揃う]
LPのファーストビューには、こう置いています。
出して、のせて、噛むだけ。(メインコピー:体験の入口)
1分で"旅館のような朝"(サブコピー:その体験が日常のどこに着地するか)
霧島の麓で仕込む|完熟発酵の「たんねん.」(作り手の宣言)

主役はメインコピーの「出して、のせて、噛むだけ。」で、商品名はその下に補助的に添えてあります。
これは商品スペックではなくて、コンセプトの宣言になっています。
商品の容量・価格・成分・健康効果・受賞歴・レビュー数――これらは、ファーストビューの下、あるいはページのもっと深いところに置きました。
読みたい人は、スクロールすれば必ず出会える場所にある。ただ、最初の一画面では言わない。
「何を入れるか」と同じくらい、「何を入れないか」でファーストビューの強さが決まると思っています。コンセプトが立っていれば、「これは下で語ればいい」と落ち着いて引き算ができる。
CTAも同じ考え方で組みました。
ボタンは置きます。隠さない。でも、「今すぐ買う!」「期間限定」「初回半額」のような煽りは入れない。「たんねん.を試す」「5包を試す」と、落ち着いた動詞で置く。
煽った瞬間に、上に置いたコピーの温度が一瞬で吹き飛んでしまうからです。
派手にしなくても、押す人はちゃんと押すと思っています。コンセプトが立っていて、広告とLPファーストビューで同じ温度が出ていれば、煽らなくても十分です。
まとめ

たかちほ正史発酵蔵のLPファーストビューを組むときに、僕がやっていたことを短くまとめておきます。
LPをバナーの集合として組まない(流し見されると、温度が伝わらない)
広告から来た人の温度を、そのまま受け取る場所としてファーストビューを組む
商品の説明ではなく、コンセプトの宣言を最上部に置く
何を入れないかでファーストビューの強さが決まる
CTAは煽らない。動線として置く
ファーストビューの設計は、ファーストビュー単独では完結しないと、僕は思っています。
コンセプト・広告・LPの3層が、同じ温度で立っているか。そこが揃って初めて、ファーストビューの一画面に何を置くかが決まる。
別々に作ったら揃わないところを、全部つなげて設計するから、ファーストビューが「商品の説明」ではなく「コンセプトの宣言」になっていく。
これが、僕がブランドの仕事で大事にしているところです。
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※本記事は、許諾を得た範囲で工程の考え方を記録しています。
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